mosyoesyoe's blog

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貸し地買い戻し>定期借家

例年3月9月は不動産の動く時期ですが、今年は数件あって大変です。

そのうち一つが今日あったのですが、書類が多くて時間かかりました。借地の精算の一例ということでちょこっと書いておきます。

約60年前に私の曾祖父と現在の借地人(Aさん)の父が土地の貸し借りをしたのが始まり。以来更新2回を挟んで60年も続いてきたのですが、近年、Aさんの父が亡くなり、母も90歳前後で大分弱ってきたということでAさんは仕事を辞め母の介護されていました。当然経済的に苦しくなってきまして、不動産屋さんも仲介に入り、相談の結果、Aさん所有の建物と合わせて借地権を貸し主である私の母が買い戻した上で、定期借家(3年間で契約時に全て前納)として貸す契約を結びました。これでAさんとその母は今までと同じ家に今後3年間は確実に住めて、数年間の生活するのに足る現金を手に入れました。

未来のことは分かりません。3年後にまた問題が起こるかもしれませんが、Aさんの父が契約した貸し地が数年分の安定した生活を約束する遺産となりました。

貸し手側としては、毎度のことですが、経済性はありません。昔のことなので契約時に権利金とかないようです。なので、収入ということで現在の地代を単純に60年分で掛け算しても、今回の買い取り価額には届きません。若干言い過ぎですが、土地を無料で使わせてあげて60年分の積み立て預金を返してあげたようなものです。

今回のケースで良かったことがあるとすれば、転売を考えていたであろう不動産屋さんが「安い」土地評価で持ちかけてきたことにより、その値段ならと地主側が買い取り、結果としてAさんの生活が続けられたことだと思います。正確には私の母が言っていたのですが、(Aさんではなく)「曾祖父が貸したAさんの父母に対して、金の切れ目が縁の切れ目で追い出したりしないで済んだのは良かった」です。

戦後から昭和30年代あたりまでに契約された貸し地がまだまだ残っています。代替わりやその契約者の子供が退職することによって、今後こうした貸し地の解消が多く出てくるかもしれません。