書評:「弱くても勝てます」&「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」
正月前からいろいろ読んだ本を紹介しようと思っていたのですが、時間がなくて、いろいろフェードアウトしておりました。
表記の2冊は直近読んだもの。今読み終わりました。
「弱くても勝てます 開成高校野球部のセオリー」(高橋秀実 新潮文庫 2014年)
「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」(上下巻 増田俊也 新潮文庫 2014年)
前者は、世に知られる高校野球とは別物の、しかし大多数派であろう、普通の弱小学校(失礼)の野球部の様子。監督も部員も非常に分析で、とても大真面目に話をしているので、部外者たる自分としては、つっこみどころ満載で大笑いして、涙流しながら呼んでしまいました。
ここの人たちのすごいところは、高校の部活の大多数派である練習時間が限られた中で、どうやって他より抜きん出て勝つかということを考えていること。タイトル通り、勝てるかもと思わされます。(もちろん同じ戦力とか同じ練習量とか条件を揃えた場合)
後者は、大著で、戦前・戦後の柔道史やプロレス等の格闘技と裏社会の関係も含めて、考えされられる内容でした。YouTubeで木村政彦とエリオ・グレイシーとのビデオも見ました。大外刈りが早すぎてよく分かりません。だけど胸熱くなって真似したくなります(笑)。
今の柔道が嘉納治五郎創設の講道館柔道で、つまり柔道の一派にすぎないということ。そして戦後にスポーツとして生き残るためになされたことで、現在の柔道の組織が自己矛盾を含んでいることを著者が強調していたことも心に残りました。
両方とも、大変面白かったです。学生のうちに読んでいればね~、というか、最近の懐古趣味的な自分にフィットしました。