mosyoesyoe's blog

徒然書いたら結果、今のところ、自社の宣伝。お得情報。パソコンTips。雑感。

LNG価格と貿易赤字と電気料値上げとそれからそれから・・・

前述の寺島実郎氏の指摘されていた内容の一つを、自分なりに調べ直して、公開しておきます。

氏が指摘されていた内容は、アメリカのシェールガス革命により、天然ガス(LNG)価格はとても下がった。2008年百万BTU当たり12ドル水準が今年4月に2ドル割れ(採算割れ?)、現在2.3ドル水準。それに対して、日本が入手している天然ガス価格は17.9ドル。日本は市場価格より高いLNGを買っている。ちなみにEUは9ドル台。

同様の指摘はネットで簡単に探せました。「なぜ日本の天然ガス価格は、アメリカの9倍も高いのか」(PRESIDENT 2012年7月16日号 一橋大学大学院商学研究科教授 橘川武郎=文 平良 徹=図版作成)

上記に、2ドルでは国内に入らないにしても10ドル程度にはなるのでないかということも書いてありますし、調達の仕方で値段を下げることは可能ではないかと指摘されています。

さて、財務省9月の貿易統計を見ると、貿易赤字は5617億円。輸入のLNG:7129千トン4878億円。(ちなみに1ドル80円で概算すると1トン855ドル 重量とBTUとの変換は調べてません)

計算がめんどくさいので、仮にLNGを半額で調達できるとすると、2400億円くらいの貿易赤字削減になるはず。なぜしないのか?調達するための契約があるから、という理由が出てくるのでしょうけど、少なくとも家賃だったら、市況がそれだけ変わったら契約中でも変更しますし、契約書にもそう書いてあります。

日本ていうのは、まだまだ豊かでお金持ちの国なんだと、改めて感じました。どこで調達しようと、金持ち日本が最高値で買ってくれるのです。とんでもないお得意様なわけです。そして国内では、原発の停止に絡んで、電気代が高くなるわけです。電力会社は将来業績をV字回復させて、理由を燃料価格の下落と説明する気なんじゃないかと勘ぐってしまいます。

「貿易赤字の原因としてLNG輸入が急増して」という説明がまかり通っていますが、「じゃあ原発を」とか「他のクリーンな発電を」という話に繋げるのではなく、「じゃあLNGの購買単価を下げよう」という発想に思い至らなかった自分の未熟さがよく分かりました。今回の氏の講演は大変勉強になりました。