mosyoesyoe's blog

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歴史に学べ:江戸時代篇

江戸っ子というと、3代続けて江戸産まれということだそうですが、わざわざそんな表現がされるのには訳があります。

また「人口から読む日本の歴史」鬼頭宏(講談社学術文庫 2000年)からの話ですが、江戸時代は都市部が「蟻地獄」だったと氏は表現しています。地方農村部から出てきてそこで稼ぐ人が多く、そこはお金を稼ぐ場だったんですね。100万人都市江戸では死亡率は高く、出生率は死亡率以下だったようです。

出生率が低い理由は、男女比が男1.8に対して女1という偏り。出稼ぎの独身者が多い実態を想像させます。

ですから、江戸で子どもを産んで育てるということが3代続くというのは、まさしく江戸になんかしらの基盤をもった家でないと無理で、江戸っ子というのが江戸の街でセレブだったことを物語っています。

現代の晩婚化・非婚化は、都市化によるライフスタイルの変化が大きいということでしょう。また死亡率について言うと当然現代では改善されたわけですが、都市部に働きに出て~までは江戸時代と変わらないのですが、その後のライフスタイルが異なります。江戸時代は寿命も短く故郷に帰らず死ぬ人がほとんどだったでしょうが、現代はどうなっているのか。勤め先の近郊に家を建ててそこを終の住み家にするのでしょうか。それとも田舎に戻るのか。

その話はまた別の機会に譲るとして、都市化することによって人口再生産力は落ちていく。それを江戸時代は周辺農村で賄っていたし、戦後日本の高度経済成長もまったく同じ図式で発展してきたのでしょう。現代では周辺農村の多産な家庭がいなくなってしまいました。これは言い方を変えると日本全土が都市化したということではないでしょうか。

前に「成長戦略」ということで書きましたが、答えはやはり人間を流入させることではないかと思います。日本は周辺地域からどんどん人間を呼び込むべきなのです。先に発展した日本を都市部・東南アジア諸国を農村部に見立てて、日本が人口の「蟻地獄」にならないと国としてのGDPは伸びようがないと思います。

世界で通用する人材をふにゃふにゃ、みたいな話がよく出ますが、国内・海外の区切りがどうしてもあるように感じます。海外で活躍ではなく、国内を海外と同じにする方が簡単ではないでしょうか。若者の背中を押すことを考えるのではなく、ここはもう海外ですよと。異文化コミュニケーションの場所として、ステージを整える方がよっぽど効果があると思います。

我々日本人にそれほどの覚悟があるか。そのくらいの覚悟を持って「成長戦略」とやらを語って欲しいと思います。

タイトルを裏切るように開国論になりました。