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書評:100万分の1の恋人

榊邦彦『100万分の1の恋人』|新潮社

難病の恐怖と向き合うヒロインと主人公の話。人間が生きていること自体の奇跡と業を考えさせられる物語でした。

たぶん、全然関係ないでしょうけど、親鸞悪人正機説を思い出しました。病と向き合い苦悩する登場人物達は、超えられない絶望と向き合うことによって、救済に近づいていっているのではないでしょうか。そんな浅はかな連想。。。

その連想から、再生という救済を願う「熊野信仰」に魅かれる自分としては、難病をありのままに受け入れる境地には達せられないとも思う次第。五体満足な自身と家族を幸せに思います。それが「身勝手」と言われるのは、心外。自分の幸せを幸せと感じてよいでしょう。

 

実は著者は中学校の時の担任の先生でした。習ったことととか、当時のことが思い出されるかと思いましたが、この本の内容と先生がまるで繋がりませんでしたとさ。