単機能と多機能
以前にスペシャリスト・ゼネラリストみたいな話をしましたが、同じ類の話です。そして私にとっては重要なテーマなのかもしれない。
昨日、人事評価的な会議に参加したのですが、ジョブローテーションを行って、社員に多能工として成長していってもらいたいという経営側の思いがありました。常識的な考えだと思います。しかし、製造現場においては、人間できることは一つ。多能工であっても複数の機械を同時に動かしたりできるわけではありません(自動機を複数受け持つことはありますが)。
そうなると、多能工であるが故に賃金水準が上がると、その製造工程が割高になり競争力が失われていきます。つまり、それしかできないけど賃金の安い人を適切に配置することが会社にとって利益が残るということになります。
サッカーでどこのポジションもできるユーティリティープレイヤーが重宝されるのは、試合に参加できる人間が限定されているからであって、低賃金の地域にどんどん進出している製造業の現状を鑑みるに、個人が多能工で勝負するのはかなり難しいのかもしれません。
しかし、能力の高い人間が淘汰、もしくは能力の低い人間と同賃金に値引きされていくのは、釈然としません。能力に見合った報酬が約束されるには、どうすれば良いのでしょうか。